(3)地域別展開に関する方針及びトピック
Generaliは、2016年11月26日に開催した「投資家の日(Investor Day)」において、現在事業展開している市場を、1) 既に一定のプレゼンスを有して、規模があり魅力的な市場(6~9市場)、2) プレゼンスが十分でないが魅力的な市場(16~18市場)、3) 魅力的な市場でもなくプレゼンスも無い市場(13~15市場)、の3つに分類して、3) については合理化を進めることを計画している、と述べていた。
Generaliは、国際的な活動領域の最適化のため、2015年~2018年の計画として、売却等により、少なくとも10億ユーロのキャッシュを生成することを目標としていたが、2018年末までに、15億ユーロのキャッシュを獲得した、としている。
具体的には、保険事業に関して、2018年において、以下の取引等が行われている。
・2018年2月 オランダのGenerali Netherland N.V.のオランダの保険会社 ASRへの売却完了
・2018年4月 パナマ及びコロンビアの事業売却完了
・2018年4月 ベルギーの事業のAthora Holdingへの売却(2019年1月に完了)
・2018年6月 Generali PanEuropeのLCCG(Life Company Consolidation Group)への売却完了
・2018年7月 GuernseyのGenerali Worldwide及びアイルランドのGenerali LinkのLCCGへの売却を署名(2019年3月に取引完了)
・2018年6月 Generali CEE Holding B.V.は、中東欧においてUnicreditとバンカシュランス合意に署名
・2018年5月 ポーランドにおけるConcordiaの買収(11月に承認)、スロベニアにおける
Adriatic Slovenicaの買収(2019年2月に完了)
・2018年12月 インドにおけるFuture GroupとのJVの出資割合を49%に引き上げ
・2019年2月 Europ Assistanceが米国におけるツアーオペレータのための旅行保険市場のリーディングカンパニーであるTrip Mateを買収
さらに、Generaliは、2018年7月にドイツの生命保険ユニットであるGenerali Leben
8をViridium Groupに売却することを表明
9している。これにより、約10億ユーロのキャッシュ生成及び金利リスクへのエクスポジャーの大幅な削減を通じたリスク資本収益率の改善が想定されるとしている。
8 Generali Lebenは、Generali Deutschlandの約4百万の保険契約の責任準備金の約36%を占めている。Generali Deutschlandは、2017年において、ドイツで9.6%の市場シェアを有し、160億ユーロの保険料収入がある。
9 このM&Aについては、ドイツの保険監督当局であるBaFinが、2018年7月6日に、集中的に調査し、保険契約者の保護措置に関する懸念が生じないことを慎重に審査することを表明していたが、2019年4月9日に、徹底的な調査の結果、これを拒絶する根拠はないと結論付け、保険契約者の利益がViridium Groupによって十分に保護されていることを確認したと表明している。