医薬品の費用対効果評価制度-評価結果は、どのように薬価に反映されるのか?

2019年04月19日

(篠原 拓也) 保険計理

■要旨

人口の高齢化が進み、医療財政が逼迫するなか、医薬品の公定価格である薬価の制度のあり方について、議論・検討が進められてきた。このうち、費用対効果評価制度について、今般、中医協の専門部会で制度の骨子がまとめられ、中医協総会で了承された。同制度は、2019年度より本格実施されている。本稿では、その骨子に沿って、医薬品の費用対効果評価制度について、概要をみていくこととしたい。

■目次

1――はじめに
2――費用対効果評価制度の枠組み
  1|費用対効果評価制度は試行的実施を経て、本格実施に至った
  2|費用対効果評価の結果は、保険償還の可否の判断には用いられない
  3|費用対効果評価制度の対象は革新性が高く、財政的な影響が大きいものだけ
  4|指定難病、血友病、HIV感染症や小児にのみ用いられる医薬品は、費用対効果評価
   制度から除外
3――費用対効果評価制度の仕組み
  1|費用対効果は、ICERをつかって定量化される
  2|価格調整の対象は、有用性加算や営業利益に限られる
  3|ICERに応じた価格引き下げとあわせて、下げ止めルールがある
4――費用対効果評価制度による薬価の引き下げ
5――おわりに (私見)
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