中国生保市場、成長に急ブレーキ-高まる、インシュアテックによる成長への期待

2019年03月15日

(片山 ゆき) 中国・アジア保険事情

■要旨
  • 2018年の中国生保市場は2017年までの高成長から一転、成長に急ブレーキがかかった。生保収入保険料は前年比1.9%増の2兆7,247億元(約43兆円)で、前年と比べて増加率がここまで落ち込んだのは2012年以来である。
     
  • 近年、中国の保険市場は二桁成長を続け、世界の市場も牽引してきたと言えよう。2017年には生保、損保とも市場規模で米国に次いで世界第2位に躍り出ている。
     
  • それにもかかわらず2018年に成長が急落した背景には、2016年後半以降進められている市場の健全化に向けた一連の施策の効果が表れてきていると考えられる。
     
  • また、この数年間、生保市場は大きく変化し、加えて社会におけるIT化の急速な進展により、保険会社の販売する保険商品のあり方や成長戦略にも大きな影響を与えている。
     
  • 2018年は、そういったインシュアテックへの取組みやそれによる効果がより鮮明となった1年でもあった。

■目次

1-2018年は生保収入保険料の伸びが急落
2―映画「我不是薬神(俺は薬の神様じゃない)」のヒットと医療保険
3―2018年はインシュアテックへの取組みの効果が鮮明に
4―おわりに

保険研究部   主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任

片山 ゆき(かたやま ゆき)

研究領域:保険

研究・専門分野
中国の社会保障制度・民間保険

経歴

【職歴】
 2005年 ニッセイ基礎研究所(2022年7月より現職)
 (2023年 東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程修了) 【社外委員等】
 ・日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
 (2019年度・2020年度・2023年度)
 ・生命保険経営学会 編集委員・海外ニュース委員
 ・千葉大学客員准教授(2023年度~) 【加入団体等】
 日本保険学会、社会政策学会、他
 博士(学術)

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