加入者が1日100万人?-アリババ会員向け重大疾病保障とは?

2018年11月12日

(片山 ゆき) 中国・アジア保険事情

■要旨
 
  • アリババグループのネットサービスを利用するアリ会員向けに開発された重大疾病保障が話題となっている。オンラインでの加入受付を開始した10月16日以降、わずか2週間で加入者が1,300万人を超えたという。
     
  • 最大の特徴は、加入時に保険料に相当する保障コストがかからず、将来時点で発生する給付の多寡に応じて後払いをするという点にある。加入者は年齢や性別に関係なく、同額を負担することになっている。
     
  • 加入の条件は、(1)アリ会員であること、(2)ゴマスコアが650点以上であること、(3)年齢が59歳までであること、(4)健康状態が要件を満たしていること、である。
     
  • 膨大な数のユーザーの保険ニーズと金融ビッグデータをアリババ経済圏内にどう留めておくか、巨大なプラットフォーマーによる保険分野への進出は、保険そのもののあり方を再定義する勢いで進む様相を呈している。

■目次

1-受付開始後2週間で1,300万人が加入
2-アリ会員(利用頻度)とゴマスコア(信用偏差値)という独自の指標
3-給付の多寡に応じて保障コストは後払い、年齢・性別にかかわらず同額を拠出
4-新たな保険商品?プラットフォーマーによる保険分野への進出

保険研究部   主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任

片山 ゆき(かたやま ゆき)

研究領域:保険

研究・専門分野
中国の社会保障制度・民間保険

経歴

【職歴】
 2005年 ニッセイ基礎研究所(2022年7月より現職)
 (2023年 東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程修了) 【社外委員等】
 ・日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
 (2019年度・2020年度・2023年度)
 ・生命保険経営学会 編集委員・海外ニュース委員
 ・千葉大学客員准教授(2023年度~) 【加入団体等】
 日本保険学会、社会政策学会、他
 博士(学術)

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