救急車は有料です。-中国・北京市での料金設定は?

2018年11月05日

(片山 ゆき) 中国・アジア保険事情

■要旨
 
  • 中国において、救急車の出動は有料である。また、諸外国の状況をみても、有料が一般的である。例えば、日本と同様にG7のメンバーであるアメリカ、カナダ、フランスなどでは有料である。出動に際しての基本料金と、それに走行距離に応じた費用が加算されるというスタイルは中国と同様である。無料である日本は寧ろ少数派といえいよう。
     
  • 例えば中国・北京市の場合、基本料金(出動1回につき40元(660円))に加えて、走行距離に応じた料金(3km以内は50元(825円)、3kmを超えると1kmあたり7元(116円))が加算される。同乗した医療従事者が治療などの診療行為を行った場合、患者は使用した薬、検査などの料金を別途支払う必要がある。
     
  • 2017年、北京市における救急救命の搬送者総数は、前年比11.3%増の69万9,467名で、過去最高となった。そのうち、重症者が13.4%を占めた。救急搬送の料金体系を見直した2016年以降は、利用はむしろ重症者以外に広がりつつある。

■目次

1-日本では、救急出動件数、搬送者数とも過去最高を更新
2-中国・北京市の救急車は走行距離に応じて料金を徴収。ただし、重症者は一部保険適用。
3-北京市で救急車を呼ぶときは120番もしくは999番
4-北京市において、救急救命のための搬送は、急病が6割、ケガ・中毒が2割

保険研究部   主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任

片山 ゆき(かたやま ゆき)

研究領域:保険

研究・専門分野
中国の社会保障制度・民間保険

経歴

【職歴】
 2005年 ニッセイ基礎研究所(2022年7月より現職)
 (2023年 東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程修了) 【社外委員等】
 ・日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
 (2019年度・2020年度・2023年度)
 ・生命保険経営学会 編集委員・海外ニュース委員
 ・千葉大学客員准教授(2023年度~) 【加入団体等】
 日本保険学会、社会政策学会、他
 博士(学術)

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