中村 亮一()
研究領域:保険
研究・専門分野
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は2―2017年のスポットライト
1.英国のEU離脱(Brexit)
英国の欧州連合(EU)からの計画された離脱はすでに金融セクターに影を落としている。Brexitの結果、英国に所在する会社は、欧州の主要なノンバンクの子会社の多くに影響を及ぼす欧州のパスポートの権利を失うことが予想される。現在、欧州のパスポートでは、英国の監督下での会社が銀行業務を行い、他の加盟国でも欧州経済圏(EEA)の金融サービスを提供することができる。彼らはBrexitの後にこれらのパスポートの権利を引き続き使用したいので、これらの会社の多くはドイツへの移転を検討している。BaFinは既にこのような会社と多くの議論を行っている。 また、監督上の問題を議論するために、2017年には海外の銀行や金融機関、ファンドや彼らの管理会社、海外の証券発行者のためのワークショップを開催した。
ワークショップの議題には、認可手続き、コンプライアンス、リスク管理、アウトソーシング、内部モデル、大規模エクスポージャーに関するルール、再建計画、第三国からのファンドに対するマーケティング通知手続、目論見書に対するBrexitの影響などの問題が含まれていた。参加者からの一般的なフィードバックは、これらのイベントが有用であることを発見したことだった。さらに、BaFinには専用のチームがあり、幅広い関連する質問に対する回答を得ることができる。
透明性と信頼性の高いフレームワーク
「移行期に、監督当局と規制当局は、Brexit後の世界への柔軟な移行を確実にするための斬新な解決策を見つける必要がある。」と、BaFinのFelix Hufeld長官は述べている。影響を受ける機関は、信頼できる移行手配が必要となるが、しかしながら、これは永久的なモデルになるべきではない、とHufeld長官は説明した。例えば、クリフ効果を避けるために、最初に許容されるような手配は、長期的には適切なバランスを有している必要がある。Hufeld長官は、そのバランスが達成されるまで、BaFinの目標は、監督実務における数々の開発課題を進展させることである、と続けた。
BaFinの目的は、ドイツの金融市場の安定性を確保すると同時に、Brexitの影響を受ける会社に、明快さとサポートと、新しい政治的条件下でも、EEAで銀行業務を行い、金融サービスを提供するための信頼できる枠組みを提供することである。BaFinの長官は、EEAの会社が同じ基準に従って監督され、規制されていることを保証することの重要性を強調した。
研究領域:保険
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