年金改革ウォッチ 2018年9月号~ポイント解説:基礎年金の水準低下への対策

2018年09月04日

(中嶋 邦夫) 公的年金

■要旨

1 ―― 先月までの動き

先月は、年金改革に関係する審議会等が開催されませんでした。

2 ―― ポイント解説:基礎年金の水準低下への対策

7月30日に開かれた年金部会では、本誌2018年7月号でご紹介した、将来の基礎年金の水準が大きく低下する見通しであることが話題になりました。本稿では、この問題への対策案を考察します。

 1|問題と原因:削減停止の判定方法と経過措置の長期化で、給与が低いほど給付削減が大きく
 2|根本的な対策:逆進的な削減は解消するが、基礎年金と厚生年金の給付のバランスが課題
 3|部分的な対策:拠出期間延長で基礎年金水準や逆進度合いは改善するが、解決には至らず
 4|第3の対策:適用拡大に該当すれば年金額全体が増えるが、既適用者は問題が改善せず
 5|対策に伴う課題:国庫負担は、現在の見通しより増えるが、当初計画の内枠には収まる

保険研究部   上席研究員・年金総合リサーチセンター 公的年金調査室長 兼任

中嶋 邦夫(なかしま くにお)

研究領域:年金

研究・専門分野
公的年金財政、年金制度全般、家計貯蓄行動

経歴

【職歴】
 1995年 日本生命保険相互会社入社
 2001年 日本経済研究センター(委託研究生)
 2002年 ニッセイ基礎研究所(現在に至る)
(2007年 東洋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了)

【社外委員等】
 ・厚生労働省 年金局 年金調査員 (2010~2011年度)
 ・参議院 厚生労働委員会調査室 客員調査員 (2011~2012年度)
 ・厚生労働省 ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会 委員 (2011年度)
 ・生命保険経営学会 編集委員 (2014年~)
 ・国家公務員共済組合連合会 資産運用委員会 委員 (2023年度~)

【加入団体等】
 ・生活経済学会、日本財政学会、ほか
 ・博士(経済学)

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