DC制度の普及に向けた課題

2018年06月29日

(梅内 俊樹) 年金資産運用

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■要旨

DC制度を中心とする一連の普及・拡大策が5月までに施行された。しかしながら、公的年金を補完する制度してDC制度を普及させる上では、様々な課題が残されている。こうした中、DC制度について、運営管理機関の営業職員が加入者に対してDC運用商品の一覧や情報を提供することを可能とする「兼務規制の緩和」が実施される見込みにある。また、年金全般を取り巻く環境の変化を踏まえて、個人型DCで60歳に設定されている掛金拠出が可能な加入者資格喪失年齢を、65歳まで引き上げることや、現行では原則として禁止されているDC制度の中途脱退の是非について、2022年1月の見直しを目処に検討されることとされている。これらの改正は、いずれもDC制度の加入者増を図る上で、歓迎される。こうした論点を含め、引き続き、DC制度が広く国民に利用されるような検討が望まれる。

■目次

1――企業年金等の加入状況
2――私的年金制度の普及・拡大策
3――DC制度の兼務規制の緩和
4――DC制度の加入者資格喪失年齢の引き上げ
5――DC制度の更なる普及・拡大に向けた検討

金融研究部   企業年金調査室長 年金総合リサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任

梅内 俊樹(うめうち としき)

研究領域:年金

研究・専門分野
企業年金、年金運用、リスク管理

経歴

【職歴】
 1988年 日本生命保険相互会社入社
 1995年 ニッセイアセットマネジメント(旧ニッセイ投信)出向
 2005年 一橋大学国際企業戦略研究科修了
 2009年 ニッセイ基礎研究所
 2011年 年金総合リサーチセンター 兼務
 2013年7月より現職
 2018年 ジェロントロジー推進室 兼務
 2021年 ESG推進室 兼務

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