人手不足に起因する物流コスト上昇が喚起する物流施設への需要(2)~コスト削減の取組みが喚起する需要とその方向性

2018年03月09日

(吉田 資) 不動産市場・不動産市況

■要旨

労働需給は極めて逼迫している中で、相対的に労働環境の厳しい物流の現場では、トラックドライバーと倉庫内作業人員の確保が喫緊の課題となっている。また、深刻な人手不足は、物流業務に関わるコストを押し上げている。

本稿では2回に分けて、人手不足が物流施設への需要に与える影響について考察する。前回のレポートでは、物流コスト上昇の現状や人手不足への対応策、等を概観した。

今後も物流コストは下がりにくい状況が続く中で、企業は積極的にコスト削減策に取り組むだろう。そこで、本レポートでは、コスト削減を目的とした物流拠点再編の方向性を中心に、人手不足が物流施設への需要に与える影響について考察する。

■目次

1.はじめに
2. 物流コスト削減の取組みが物流拠点施策に与える影響
  (1) 物流コスト削減の取組み~物流拠点再編が進む
  (2) 物流拠点再編の方向性
3. 物流拠点再編が喚起する大規模賃貸施設への需要
  (1) 拠点再編を志向する企業は、大規模賃貸施設の有望なテナントに
  (2) 人手不足が3PLおよびEC市場成長の重石となる中、拠点再編需要の存在感が増す
  (3) 人手不足は、大量供給局面においてエリア格差拡大の一因に

金融研究部   主任研究員

吉田 資(よしだ たすく)

研究領域:不動産

研究・専門分野
不動産市場、投資分析

経歴

【職歴】
 2007年 住信基礎研究所(現 三井住友トラスト基礎研究所)
 2018年 ニッセイ基礎研究所

【加入団体等】
 一般社団法人不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員(2020年度~)

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