セカンドオピニオンをもらうには、どうしたらいいの?

2019年02月13日

(片山 ゆき) 中国・アジア保険事情

■要旨

セカンドオピニオンとは、患者が納得のいく治療を選択できるように、担当医の意見(ファーストオピニオン)とは別に、担当医以外の知識や経験が豊富な専門の医師の意見(セカンドオピニオン)を求めることです 。
 
まず、現在の治療をしっかり理解し、医師としっかりコミュニケーションをとることが大事ですが、診断や、現在または今後の治療方針が最良であるかを確認したいときに利用するとよいでしょう。
 
セカンドオピニオンは、あくまで医師へ相談し、意見を求めるものであり、ここに転院や治療などの診療行為は含まれない点についても留意が必要でしょう。セカンドオピニオンを受けるには、患者(またはその同意を得た家族)が医療機関に設置されたセカンドオピニオン外来に申し出ることになります。
 
自身が希望して受診した場合は自由診療になるため、健康保険が適用されません。全額自己負担となることから、具体的な費用は医療機関が指定した費用を支払うことになります 。
 
セカンドオピニオンの利点としては、同じ診断や治療方針が示されたとしても、専門的な見解を得ることで、病気に対する理解が深まることが挙げられるでしょう。また、別の治療法が示されてとしても選択肢の幅が広がり、より納得できる治療法を検討することができます。
 
現在、日本の保険会社においては、商品によってセカンドオピニオンサービスを付帯しています。サービス内容は各社で異なりますが、まず、加入している医療保険やがん保険などにこのようなサービスが付帯しているか確認するのもよいかもしれません。健康であるうちに、セカンドオピニオンについての状況確認をしておくことは、意義のあることと言えるでしょう。

■目次

1―セカンドオピニオンは担当医とは別の医師による「第2の意見」です。
  転院、治療などは含まれません。
2―セカンドオピニオンを「受けたことがある」患者は3割、「受けてよかった」が8割
3―セカンドオピニオンを受けるには、事前にしっかりとした準備が必要となります。
4―民間保険には、セカンドオピニオンサービスが付帯していることもあります。

保険研究部   主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任

片山 ゆき(かたやま ゆき)

研究領域:保険

研究・専門分野
中国の社会保障制度・民間保険

経歴

【職歴】
 2005年 ニッセイ基礎研究所(2022年7月より現職)
 (2023年 東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程修了) 【社外委員等】
 ・日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
 (2019年度・2020年度・2023年度)
 ・生命保険経営学会 編集委員・海外ニュース委員
 ・千葉大学客員准教授(2023年度~) 【加入団体等】
 日本保険学会、社会政策学会、他
 博士(学術)

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