中村 亮一()
研究領域:保険
研究・専門分野
関連カテゴリ
「強制適用事業所」とは、(1)国、地方公共団体または法人の事業所であって、常時従業員を使用するもの、(2)国、地方公共団体または法人でない事業所で、強制適用事業を行っている常時5人以上の従業員を使用するもの。強制適用事業所の従業員は、事業主や従業員の意思に関係なく、健康保険への加入が義務付けられる。
「強制適用事業」の範囲は、健康保険法第3条第3項第1号に規定8されており、逐次拡大されてきている、現在でも、農林業、水産業、畜産業、料理飲食業、自由業等は適用対象となっていない。
「任意適用事業所」は、強制適用事業所とならない事業所で、厚生労働大臣の認可を受けて健康保険の適用となる事業所のこと。従業員の半数以上が適用事業所となることに同意し、事業主が申請して厚生労働大臣の認可を受けることで適用事業所になることができる。この場合、従業員全員が加入することになる。
2016年10月から、被保険者数501人以上の企業の従業員で、1週間(1月間)の労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間(1月間)の所定労働時間の4分の3未満であるもののうち、(1)1週間の所定労働時間が20時間以上であること、(2)当該事業所に継続して1年以上使用されることが見込まれること、(3)標準報酬月額が8万8000円以上であること、(4)学生等でないこと、の条件を全て満たす方は、健康保険の被保険者となることになった。
さらに、2017年4月からは、被保険者数500人以下の企業の従業員でも、加入について労使合意が取れた場合には加入対象になった。
(1) 日々雇い入れられる者について、1ヶ月を超えて引き続き使用される場合には、その時から加入
(2) 臨時に使用される者で、2ヶ月以内の期間を定めて使用される者が、2ヶ月以内の所定の期間を超えて引き続き使用される場合には、その時から加入
(3) 酒造の醸造、製茶等の季節的業務に従事する者が、継続して4ヶ月を超えて使用される場合には当初から加入
(4) 博覧会等の臨時的事業の事業所に使用される者については、継続して6ヶ月を超えて使用される場合は当初から加入
(5) サーカスや地方巡業を行う劇団等の各種の興行等を行う所在地が一定しない事業所に使用される者は、例外なく加入対象外
(1) 被保険者の直系尊属、配偶者(事実婚を含む)、子、孫及び兄弟姉妹であって、主としてその被保険者により生計を維持するもの
(2) 被保険者の三親等以内の親族で同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの
(3) 被保険者の事実婚の配偶者の父母または子であって、同一の世帯に属し主としてその被保険者により生計を維持するもの(当該配偶者の死亡後引き継ぐ場合も含む)、のいずれかに該当するもの
ここで、「主としてその被保険者により生計を維持するもの」とは、被保険者の収入により、その人の暮らしが成り立っていることをいい、必ずしも被保険者と一緒に生活をしていなくてもよい。