中村 亮一()
研究領域:保険
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2―今回の監督声明の概要
EIOPAは、最初のソルベンシー及び財務状況報告書を分析し、改善すべき分野を特定している
今日、欧州保険年金監督局(EIOPA)は、(再)保険会社及びグループのソルベンシー及び財務状況報告書(SFCR)の分析に基づいて監督声明を発表した。この声明の目的は、これらの報告書の将来の開示を改善することである。
この分析は、欧州経済地域の(再)保険会社及びグループによって公開された2016 SFCRのサンプルに基づいている。
EIOPAの分析によれば、大半の報告書は時間通りに公表され、一般的にソルベンシーIIの要件に準拠している。殆どの報告書は、企業のウェブサイト上で簡単に入手できた。
しかし、EIOPAは、将来の報告内容の質に関するさらなる改善が必要な分野を特定した。
・目的に適合したより多くの要約
・リスクとソルベンシーの自己評価(ORSA)に関する会社/グループ固有の情報
・様々なシナリオやストレスに対するリスク感応度に関するより構造化されたより包括的な情報
・資産、負債及び技術的準備金の評価及び評価に関する不確実性への対処に使用される基礎、方法及び主な前提に関するさらなる関連情報
・適格自己資本に関するさらなる包括的な情報
EIOPAは、将来の報告書の作成において、(再)保険会社及びグループに対し、比例原則を検討しつつ、監督声明に記載された勧告を考慮することを奨励する。
来年(2018年)の報告書は、比較情報の提供を初めて要求する。したがって、EIOPAは、強制的な分野に対する期待と、この情報を報告書にどのように提示すべきかを概説した。
監督声明は、EIOPAのウェブサイトで入手できる。
背景
ソルベンシーII指令の第51条、第53条、第54条及び第256条によれば、(再)保険会社及びグループは、ソルベンシー及び財務状況報告書を作成し公表することが義務付けられている。今年(2017年)、これらの報告書は(再)保険会社及びグループによって初めて公表された。