地方公会計制度とその改革~その1 地方公会計とは~

2017年10月27日

(神戸 雄堂)

■要旨
 
  • 地方公会計制度の果たすべき役割は、地方公共団体が住民に適切かつわかりやすい財政情報を公表すること、また地方公共団体内における意思決定に役立つ会計情報を提供することと考えられる。
     
  • 地方公会計方式は単式簿記・現金主義による会計方式のみを前提としてきたが、ストック(資産・負債)情報の一体的な把握と、適切なフロー(収益・費用)情報の把握による期間損益計算ができないという課題を抱えている。
     
  • 総務省は従来の地方公会計制度の補完として、企業会計で採用されている複式簿記・発生主義による会計方式を併用するための制度改革を漸次進めてきた。
     
  • 当稿では、多くの方にとって馴染みの薄い公会計制度とその改革について、2回にわけてわかりやすく紹介・解説することとしたい。今回は、地方公会計と企業会計についての比較も行いながら、現行の地方公会計制度の抱える課題について考えたい。

■目次

1――はじめに
2――地方公会計の役割とその背景
3――地方公会計の特徴:単式簿記と現金主義
4――地方公会計の課題
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