■要旨
「欧州連合(EU)と米国の対話プロジェクト(EU-US Dialogue Project)」及びそこで協議されていた「カバード・アグリーメント(Covered Agreement)」の締結を巡る動きについては、これまで、保険年金フォーカス「
EUと米国の間の再保険規制を巡る交渉の状況はどうなったのか-カバード・アグリーメントをついに締結へ-」(2017.1.17)、基礎研レポート「
トランプ政権による保険会社規制への影響について-国内・国外(EU、IAIS)問題への対応-」(2017.4.4)及び保険年金フォーカス「
EUと米国の間の再保険規制を巡る動きについて-トランプ政権もカバード・アグリーメントを承認へ-」(2017.7.25)(以下、「前回のレポート」という)等で報告してきた。
前回のレポートで報告したように、米国財務省(The U.S. Department of the Treasury)及び米国通商代表部(USTR)は、7月14日のプレス・リリースで、「政府は、今後数週間で協定に署名することに加えて、実施に関する米国の政策声明を発表する予定である。」として、カバード・アグリーメントに署名する意向であることを発表していた。
これを受けて、米国財務省及び米国通商代表部(USTR)は、9月22日に「カバード・アグリーメントに署名」した旨を公表し、併せて「政策声明」も公表した。
今回のレポートでは、これらの公表内容及びこの発表を受けての関係団体の反応を報告する。
■目次
1―はじめに
2―カバード・アグリーメントと今回の合意の内容
1|カバード・アグリーメントとは
2|今回の米国財務省及びUSTRによる発表について
3|今回のカバード・アグリーメントの概要
4|EUにおける今回の合意の位置付けと今後の動き
3―EUとのカバード・アグリーメントに関する米国の声明
4―今回の発表に対する関係団体の反応
1|NAIC(National Association of Insurance Commissioners
:全米保険監督官会議)
2|NAMIC(National Association of Mutual Insurance Companies
:全米相互保険会社協会)
3|NCOIL(National Conference of Insurance Legislators
:全米保険議員協議会)
4|ACLI(American Council of Life Insurers:米国生命保険協会)
5|RAA(Reinsurance Association of America:米国再保険協会)
6|AIA(American Insurance Association :米国保険協会)
7|Insurance Europe(保険ヨーロッパ)
8|IUA(International Underwriting Association
:国際アンダーライティング協会)
5―まとめ