DBとスチュワードシップ・コード

2017年09月05日

6月に閣議決定された「未来投資戦略2017-Society 5.0 の実現に向けた改革-」には、DBによるスチュワードシップ・コード受入れの促進などを通じて、企業年金等の普及・充実を図ることが盛り込まれている。

確かに、DBによる運用機関のスチュワードシップ活動のモニタリングや効果的なエンゲージメントの働きかけは、運用機関の競争を促し、投資先企業の成長や中長期的なリターン向上の可能性を高める。そして、DBの実質的な運用リスク負担の軽減を通じて、DBの普及・拡大も期待できることになる。

ただその一方で、スチュワードシップ・コードの受入れに伴う業務負荷が過大となるようであれば、受入れ表明は広がらず、場合によっては、DB離れを助長し、DBによる運用機関の監視機能を低下させることにもなり兼ねない。

こうした事態を避けながら、インベストメント・チェーンにおけるDBの役割を拡充していくには、業務負荷が抑制された効率的で実効性のある監視・働きかけのあり方を、DB全体の課題として継続的に検討・共有していくことが必要だろう。その先に、好循環が生み出されることに期待したい。
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