中村 亮一()
研究領域:保険
研究・専門分野
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2―カバード・アグリーメントとは
3―これまでの経緯と今回の動き
2017年5月22日のSteve Mnuchin財務長官宛レターからの抜粋
相互承認
カバード・アグリーメント草案には、米国がEUによって相互に認められている旨の記載はない。我々は、合意が締結されれば、当事者は相互の再保険、グループ監督、グループ資本及び機密保護/プライバシー制度を暫定的に相互に承認する、という明確な声明を要求する。さらに、我々は、カバード・アグリーメントにおいて全ての条件と要件が満たされれば、ソルベンシーIIの下で、保険分野の米国の法と規制に関する永続的な相互承認を提供するとの明確な声明を要求する。これは、米国が交渉で達成しようとしていたと述べた以上でも以下のことでもない(2015年11月の議会へのカバード・アグリーメント交渉を通知する財務省書簡参照)。この明確化は、合意の意図と目的を反映しているため、重要である。そのような言葉がなければ、国際的に事業を行っている米国の保険会社は、EUで不公平かつ重複した規制を受けることになる。
再保険担保
前FIO(連邦保険局)ディレクターの Michael McRaith 氏は、カバード・アグリーメントの言語が再保険担保に関する全ての州の法的要件を含むことを意図していると証言している。これは、信用力の基準の省略と無担保を求めるEU再保険会社への適用を除いて、真実である。 この見落としは、NAICの再保険モデル法及び規制に関するクレジットに記載されているように、再保険者のゼロ担保の資格を決定する上で、米国の監督当局がEUの再保険業者の信用力を考慮できることを確認することによって訂正することができる。これは、財務的に弱いEU企業の再保険を購入する米国の保険会社を担保で保護するために重要である。
グループ資本
カバード・アグリーメントは、現時点でNAICによって設計または採用されていないグループ資本評価の将来の基準を規定している。我々は、NAICが最終的に採択したいかなる形態においても、EUがNAICのグループ資本計算の最終版を受け入れることを確認することを求める。これは、外国でビジネスを行っている企業と同様にそうでない米国の企業でも重要である。
合同委員会
合意は、誰が合同委員会に参加するのかについての言葉はない。我々は、保険監督当局が委員会のメンバー及び完全参加者として含まれ、合同委員会がカバード・アグリーメントの範囲外の問題に対処しない、ことを明確にする声明を要請する。これにより、実際に米国保険業界を監督する規制当局が、契約に基づいて発生する可能性のある問題に対する実用的な解決策を提供することが保証される。
2017年7月14日
財務省、米国通商代表部(USTR)の署名意思通知
米国財務省と米国通商代表部(USTR)は、本日、保険と再保険に関する健全性手段に関する米国と欧州連合(EU)との間の二国間協定に署名する意向を発表した。政府は、今後数週間で協定に署名することに加えて、実施に関する米国の政策声明を発表する予定である。
これは、米国企業の国内外市場における競争力を高め、規制を効率的、効果的、適切に調整するために重要なステップである。さらに、2国間協定は、米国の州ベースの保険制度の妥当性を確認し、規制の確実性を提供し、米国保険会社の成長機会を増やすことによって、米国経済と消費者に利益をもたらす。
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