医療広告規制の変化-医療機関の広告はどこまで可能なのか?

2017年07月11日

(篠原 拓也) 保険計理

■要旨

医療は、人の生命・身体に関わるサービスである。また、医療は極めて専門性の高いサービスでもある。こうしたことから、医療に関する広告については、様々な規制が設けられている。2017年6月に、医療法等の一部を改正する法律案が国会で可決成立し、公布された。この法改正の項目の1つに、医療機関のウェブサイトの適正化が盛り込まれている。

本稿では、医療に関する広告の規制について、今回の法改正を含めて、見ていくこととしたい。

■目次

1――はじめに
2――医療広告規制とは
  1|医療の広告には、患者の意思決定の支援と、患者保護のバランスが求められる
  2|誘因性、特定性、認知性の3要件を全て満たすものを医療広告として、
    規制の対象としている
  3|法令で可能とされた事項以外は、医療広告は原則禁止とされてきた
  4|虚偽広告は禁止されており、行った場合は罰則の対象となる
  5|比較広告、誇大広告、客観的事実を証明できない広告、
    公序良俗に反する広告は禁止されている
3――医療広告規制の経緯
4――医療広告規制の内容
  1|医療機関のウェブサイトは、医療広告とならない
  2|新聞記事や体験談は、それ自体は医療広告とならない
  3|院内掲示や患者等からの申し出に応じて送付するパンフレットは、
    医療広告ではない
  4|診療科名については、ルールが定められている
  5|手術件数や入院患者数の広告は可能だが、
    死亡率や術後生存率の広告は禁止されている
  6|医療広告では禁止されている表現がある
  7|自由診療の医療広告は基本的に禁止されているが、
    保険診療等と同一の検査、手術については可能
5――2017年の医療法改正
  1|美容医療サービスに関する相談件数は増加している
  2|医療機関のウェブサイトについて、虚偽・誇大な表示等、
    不適切な表示を禁止する規制が導入される
  3|規制内容の明確化とともに、ネットパトロール監視体制の構築や、
    患者等への注意喚起・教育が図られる
6――おわりに (私見)
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