EUソルベンシーIIにおけるLTG措置等の適用状況とその影響(2)-EIOPAの報告書の概要報告-

2017年01月11日

(中村 亮一) 保険計理

(4)適用会社の資産ポートフォリオ
VAを適用している保険会社の資産ポートフォリオについては、2016年1月1日時点で、国別に、以下の通りとなっている。

これにより、VAの適用会社の平均資産ポートフォリオは、国によっても大きく異なっている。
 
(5)適用会社の営業保険料シェア
VAを適用している保険会社の営業保険料の各国における市場シェア(2016年第1四半期末報告ベース)は、以下の通りとなっている。

多くの国で7割程度を超えるシェアを占めており、EEA全体でも54.6%となっているが、英国では21.6%の低いシェアにとどまっている。
 
また、EEA全体で、保険種類別にみてみると、有配当保険では77.8%、インデックスリンク・ユニットリンク型保険では52.1%、医療保険では42.7%、その他の生命保険で62.7%の営業保険料が、VA適用会社により獲得されている。
 

3―措置毎の国別の適用状況(適用会社及びSCR比率への影響等)-その2-

3―措置毎の国別の適用状況(適用会社及びSCR比率への影響等)-その2-

この章では、TTP(技術的準備金に関する移行措置)とTRFR(リスクフリー金利に関する移行措置)という移行措置の適用状況について、その国別の適用会社数やSCR比率への影響を報告する。

1|TTP(技術的準備金に関する移行措置)

(1)適用会社
TTPは12カ国からの154社が適用している。

国別では、ドイツが57社で最も多く、次が英国の28社、スペインの22社となっている。
 
EEA全体では、技術的準備金の24.1%に対して、TTPが適用されているが、国別では英国が15.3%、ドイツが4.3%を占めている。
なお、ノルウェーでは87.2%の技術的準備金に対してTTPが適用されており、英国、フィンランド、ポルトガルでは50%以上の技術的準備金に対してTTPが適用されている。

TTPとMAやVAとの併用会社の状況は、それぞれMA、VAの項目で述べたとおりである。
 
レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)