歯科医療の変化-かかりつけ歯科医は何をすべきか?

2016年12月12日

(篠原 拓也) 保険計理

■要旨

日本では、高齢化が進んでいる。それに伴い、全国で、地域包括ケアシステムの実現に向けた準備が進められている。

地域包括ケアシステムでは、病院から地域へと、医療の現場が広がっていく。歯科医療においては、生活の質(Quality of Life, QOL)の維持・向上を図る上で、高齢者・要介護者の口腔ケアが重要となる。

こうした点を踏まえて、歯科医療の現状や、変化の方向性について、紹介していくこととしたい。本稿を通じて、読者に、歯科医療への関心を高めていただければ、幸いである。

■目次

0――はじめに
1――虫歯と歯周病の状況
  1|虫歯は近年減少している
  2|歯周病のケアも進んでいる
  3|歯を多く残す人が増えている
2――歯科診療の現状
  1|歯科の患者数は横這い
  2|歯科の患者は60歳代後半がピーク
  3|歯科患者の1日あたり医療費は、あまり増えていない
  4|歯科診療は医学管理が上昇、在宅医療も伸びを見せている
  5|歯科健診は浸透しつつある
3――歯科診療所の経営
  1|歯科医療費は横這いで、国民医療費全体に占める割合は低下している
  2|歯科医師の数は、診療所従事者を中心に、年々増加している
  3|歯科診療所の数は横這いとなっている
  4|歯科診療所の収益力は医科一般診療所の半分以下
4――コ・デンタルの状況
  1|ニーズの高まりとともに歯科衛生士の数は年々増加している
  2|歯科技工士は若年層の拡充が急務
  3|コ・デンタルの処遇改善が必要か
5――歯科医療の変化
  1|インプラントは2010年代に入って再び増加傾向
  2|歯科医療は、形態から機能への変化が求められるようになった
  3|口腔ケアと全身疾患の関連性が明らかになりつつある
  4|歯科の予防管理が浸透しつつある
  5|高齢者への在宅歯科医療が始動している
  6|歯科医師は、かかりつけ歯科医として地域歯科医療を拡充することが期待されている
6――おわりに [私見]
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