中村 亮一()
研究領域:保険
研究・専門分野
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POLICY RECOMMENDATIONS
78.BaFinは、会社がソルベンシーII要件を満たす上で困難に直面する場合には、行動計画を要求すべきである。ソルベンシーII指標による保険会社の財務健全性についての不確実性と新しい要件への市場のフォーカスを前提とすれば、BaFinは、会社が経過措置に依存している場合には、保険会社が、長期の経過期間において発生するかもしれないストレス条件下においても、経過期間末までに、完全な要件を満たすための堅牢で信頼できる計画を有していることを確実にしなければならない。BaFinは必要ならば、事業を制限したり又は経過措置の承認を取り消す行動を起こさなければならない。
79.当局は、リスクを軽減するために、一般大衆や保険契約者に対するコミュニケーションに関する戦略を開発することが奨励される。経過措置が無い場合のソルベンシーIIの数字を透明にすることは適切である。しかしながら、補足的な説明がない複雑な数字の開示は、業界に対する市場の信頼を傷つけることになる。それゆえ開示は良く書かれた説明と信頼できる再建計画とともに行われるべきである。多くの会社が経過措置に依存することが想定されていることを考慮すれば、公衆が会社や業界全体に関する合理的な確信を保てるように、業界だけでなく、当局も(例えば、取られた行動を一般的な言葉で表現したスピーチや公表物を通じて)説明責任を果たすべきである。
80.当局はストレステストの手法を改善し続け、定期的にマクロプルーデンスなストレステストを実施すべきである。実用的な監督上で使用するためには、FSAPにおいて使用されたストレステストのアプローチに改善の余地がある。データ品質や利用可能性は、ソルベンシーIIに基づく保険会社の報告が手に入るようになった後は、大きく改善することが期待される。当局は、ソルベンシーIIの下での業界の脆弱性を捕捉するために、ストレステストの手法、データ品質や検証分析を改善し続け、業界ワイドのストレステストを定期的に実施すべきである。
81.当局は、中期的には保険部門のセーフティネットの十分性と柔軟性を分析することを勧告する。このストレステストは、セーフティネット上の具体的な政策提言を描き出すために重要な進展を必要としているが、このテストでは、個別企業の充足能力を超える可能性のある潜在的な資本不足を特定化している。状況を改善するために、個々の企業の最善の努力を奨励し、再建及び破綻処理計画を向上させつつ、適切かつ柔軟なセーフティネットは、最悪の場合に破壊的風評上の失敗や資本ポジションのさらなる悪化から、業界を助けることができる。ドイツの生命保険部門は、(Protektorのような)保険保証制度があるが、しかしながら、複雑なポートフォリオの譲渡の有効性に関する不確実性が存在している。当局が、現在のセーフティネットが、考えられうるマーケットワイドのストレス状況においても、十分であることに満足し、必要に応じてセーフティネットを改善することが奨励される。
3―まとめ
研究領域:保険
研究・専門分野