中村 亮一()
研究領域:保険
研究・専門分野
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保険監督における内部モデル
ソルベンシーIIが最終的に2016年1月に実施された時に、保険業界や監督当局は10年以上の準備期間を注いでいた。新たな欧州のソルベンシー制度の重要な要素は、保険会社が今や自らのソルベンシー資本要件(SCR)をリスクに基づいて計算しなければならない、ということにある。そうするために、標準的な式または監督当局の事前承認を必要とする(部分)内部モデルを使用することができる。
内部モデルは、企業に対して、個々のリスク・プロファイルを、標準式よりもより適当な手法で、リスクに関する内部的観点とそれらがどのように管理されているのかに従って、モデル化する機会を提供している。さらには、保険会社は、SCRを計算するために、会社自身のリスク管理プロセスの重要な要素であるリスク測定を使用することができる。
事前申請段階
ソルベンシーIIは、すでに2012年に実施されることを想定して、BaFinは、関係する保険グループと一緒に、2008年にモデル申請のレビューと承認のための準備をスタートさせた。アイデアは、BaFinが、保険会社が内部モデルのためのソルベンシーⅡ要件を満たしているかどうかを評価することができるようにするために、それぞれの内部モデルに関してできるだけ多くの知識を獲得すべく、早期に開始することにあった。会社もまた、これらの準備から恩恵を受けた。彼らは、非公式ではあるが、その内部モデルについてのフィードバックや要件の実施に関しての進捗状況についての情報を与えられることになった。
ソルベンシーIIの実施は、その後、フレームワークに対する基本的な追加-特に長期保証を有するビジネスモデルの取扱に関連して-を行うために、2度延期された。会社は、変更された要件を反映するために、いくつかの機会において、その内部モデルを調整することで対応した。
2015年には、全てが最終的に設定された。4月初め以降、BaFinは、内部モデルを使用するためのいくつかの申請を受け入れ、承認した。2016年の開始以来、5つの再保険会社、16の損害保険会社、4つの健康保険会社と7つの生命保険会社が、BaFinの監督の下でSCRを計算するために内部モデルを使用することが許可されている。また、5つのドイツの保険グループは、グループのソルベンシーを計算するために内部モデルを使用する。 BaFinは、2016年にさらなる申請に関する決定を行う。
主要な問題
以下の3つの問題は、実際の申請段階だけでなく、準備中において、会社とBaFinの間の建設的な対話を支配した。
研究領域:保険
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