初めて持ち家を取得した層と2回目以上の違い‐昨今の住宅取得事情(その2)

2016年03月14日

(塩澤 誠一郎) 土地・住宅

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■要旨

持ち家取得2回目以上には、買い換えや建て替えが含まれており、1回目に比べ資金的に優位である。持ち家取得のための費用とそのための資金確保は、初めて持ち家を取得する層にとってより重要になる。

■目次

1――住宅取得方法の違い
  1|2回目以上では新築と建て替えが同程度
  2|2回目以上では分譲マンションへの住み替えが比較的多い
2――居住期間の違い
  ・1回目の取得では、従前の居住期間10年未満での住み替えが約6割を占める
3――取得費の違い
  ・持ち家取得費用は平均すると1回目の取得層の方が高い

 
 
「昨今の住宅取得事情」の第2回は、平成25年住生活総合調査を用いて、初めて持ち家を取得した層と2回目以上の層とを比較する。
 

1――住宅取得方法の違い

1――住宅取得方法の違い

1|2回目以上では新築と建て替えが同程度
持ち家を取得が1回目の層は、「新築(建て替えを除く)」の割合が32.5%で最も高くなっている。2回目以上の層も同様に28.7%で最も高いが、それと同等に「建て替え」の割合も28%と高くなっている。
2回目以上の場合、別の土地に住み替えて新たに新築するケースと、今の土地で建て替えるケースとが同じ程度あることが分かる。また、「中古住宅を購入」は2回目以上の割合が14.5%で、1回目の11.7%を上回っている。中古住宅を持ち家取得の選択肢とする層は、2回目以上においてより多いことが分かる。(図表1)
 
2|2回目以上では分譲マンションへの住み替えが比較的多い
住宅の建て方別にみると、1回目と2回目以上共に、「一戸建・長屋建」の割合が8割を超えて最も高くなっている。ただし、1回目が86.3%、2回目以上が84%でやや1回目の方が高く、一方、「共同住宅6階以上」では、1回目が9.8%、2回目以上が11.8%と、2回目以上の割合が高くなっている。2回目以上では分譲マンションに住み替える層が比較的多いものと読み取れる。(図表2)
 
 

2――居住期間の違い

2――居住期間の違い

1回目の取得では、従前の居住期間10年未満での住み替えが約6割を占める
住み替え前の住宅の居住期間を見ると、1回目は、「3年未満」が22.9%で最も割合が高く、10年未満までが、59%を占めている。10年以上は17%程である。
初めて持ち家を取得する層は一般的に賃貸住宅からの住み替えが多く、その場合10年未満で持ち家を取得していると読み取れる。
一方、2回目では、「30年以上」が16.9%で最も高く、3回目以上では、「5年以上10年未満」と「10年以上15年未満」が20%で高くなっている。2回目と3回目以上の持ち家取得では、このように異なる傾向がある。
 
 

3――取得費の違い

3――取得費の違い

持ち家取得費用は平均すると1回目の取得層の方が高い
持ち家取得に要した費用では、1回目は2回目以上に比較して、2,000~4,999万円の割合が高くなっている。初めて取得する場合、土地取得を伴う新築のケースが多く、この費用帯に集中するのだと考えられる。平均値を見ても2,676万円で、2回目以上の2,584万円より高くなっている。
これに対し、2回目以上は1回目に比べ400~1,399万円の割合が高くなっている。2回目以上には、従前持ち家の売却資金を用いることができる買い換え、土地の取得が必要ない建て替えが含まれており、これらは1回目に比べ資金的に優位である。この点が1回目に比べ2,000~4,999万円の割合が低く、低価格帯の割合が高い理由と考えられる。持ち家取得のための費用とそのための資金確保は、初めて持ち家を取得する層にとって、より重要になることが分かる。
 

社会研究部   都市政策調査室長・ジェロントロジー推進室兼任

塩澤 誠一郎(しおざわ せいいちろう)

研究領域:不動産

研究・専門分野
都市・地域計画、土地・住宅政策、文化施設開発

経歴

【職歴】
 1994年 (株)住宅・都市問題研究所入社
 2004年 ニッセイ基礎研究所
 2020年より現職
 ・技術士(建設部門、都市及び地方計画)

【加入団体等】
 ・我孫子市都市計画審議会委員
 ・日本建築学会
 ・日本都市計画学会

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