9月3日ECB政策理事会:新興国の状況を見極め、行動する意志と能力を強調

2015年09月04日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

欧州中央銀行(ECB)が3日政策理事会を開催、政策金利の据え置きを決めた。月600億ユーロの資産買入れについては、プログラムの円滑化な運営のため、一銘柄あたりの買入れ上限を25%から33%に引き上げることを決めた。国債等の買入れの量やペース、期間の変更は協議しなかった。

ドラギ総裁は、世界株安や中国・新興国経済の減速など最近の変調の生産と物価への持続的影響について判断するのは時期尚早としつつ、下振れリスクは高まっているとの見解を示した。

今回、インフレ見通しの引き下げに対応した追加緩和の決定はなかったが、ドラギ総裁の会見は全般にハト派色が強く、外国為替市場では追加緩和期待からユーロ安が進んだ。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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