ギリシャ新提案で交渉決裂は回避:6月22日ユーログループ、ユーロサミット

2015年06月23日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

22日のユーロ圏財務相会合(ユーログループ)、ユーロ圏臨時首脳会合(ユーロサミット)は、前日のギリシャ政府による新たな「改革プログラム」の提示を受けて、無秩序な債務不履行(デフォルト)、ユーロ離脱に発展しかねない交渉の決裂を回避した。

48時間で支援機関が新提案を精査、欧州時間の24日夜にユーログループの会合を開催、EUの定例首脳会議が予定される25日朝に最終承認を目指す。支援交渉の完全な決裂は、ギリシャにとってもユーロ圏にとっても政治的な失敗であり、土壇場での合意が期待される。

合意が成立すれば、とりあえず最悪のシナリオは回避されるが、7月以降も多くのハードルがある。IMF返済資金の捻出方法、72億ユーロの支援実行後の支援体制、改革プログラムがギリシャ経済の再生とユーロ圏に残留する可能性を高める内容かどうかなど見極めが必要だ。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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