6月3日ECB政策理事会:ギリシャのユーロ圏残留には「強固な合意」が必要

2015年06月04日

(伊藤 さゆり) 欧州経済

欧州中央銀行(ECB)が3日、政策理事会を開催、現状維持を決めた。ドラギ総裁は、金融政策の完全実施の方針を確認する一方、長期にわたる低金利の環境でのボラティリティーの高まりに「なれるべき」との見解を示した。

ギリシャと支援機関との改革プログラムの交渉の進捗状況やECBとしての政策対応については直接コメントしなかったが、「理事会はギリシャのユーロ残留を望むが、そのためには強い合意が必要」という基本スタンスを強調した。ギリシャ国債の担保としての受け入れ再開の前提は支援実行の目処が立つことであり、緊急流動性支援(ELA)に適用するギリシャ国債のヘアカット率も状況を考慮して次回会合で見直すとした。

経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり(いとう さゆり)

研究領域:経済

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴

・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職

・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
           「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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