【4月米FOMC】声明文から政策金利引上げ時期の新たな示唆はなし

2015年04月30日

(窪谷 浩) 米国経済

【要旨】

金融政策の概要

米国で連邦公開市場委員会(FOMC)が4月28-29日(現地時間)に開催された。予想通り金融政策の変更はなし。声明文では足元の景気判断が下方修正されたほか、前回会合(3月)で声明文に盛り込まれた4月会合での利上げの可能性は低いとの表現が削除された。それ以外では大きな声明文の変更はなかった。
今回の決定は、前回(3月)、前々回(1月)に続いて3回連続で全会一致の採決となった。

金融政策の評価

4月の政策金利引上げの可能性は低いことが、既に前回会合で示されていたため、金融政策が変更されなかったことに対するサプライズはない。
また、声明文の内容についても、前回会合以降に発表された経済指標は3月の雇用統計、1-3月期のGDP成長率など、経済成長の伸び鈍化を示す指標が続いていたことから、景気の現状判断が下方修正されたことにも違和感はない。もっとも、最近懸念されているドル高の米国経済への影響については、輸出が減少したことや輸入物価を通じて物価下押し圧力がかかっていることについての間接的な言及はあったものの、ドル高といった直接的な表現は回避された。
一方、声明文のフォワードガイダンスに関して、政策金利引上げ時期に絡んで次回会合(6月)での可能性についての言及がなかったことが意外である、との受け止めが一部であるようだ。FRBは、前回会合で6月以降は会合毎に政策金利の引上げを判断することを示していた。足元の経済指標の弱さを踏まえると、今後経済指標が再び順調な回復基調に戻るか見極める必要があり、それには暫く時間がかかるため、現実的には次回会合で政策金利を引上げることが難しいとみられる。しかしながら、可能性が低いとしても、わざわざ次回会合での利上げの可能性が低いことを示唆することで金融政策の自由度を下げることもないだろう。実際、市場は6月の利上げの可能性が低いことを既に相当程度織り込んでいることから、仮に6月の利上げが見送られたとしても市場変動リスクが高まることはないとみられる。

経済研究部   主任研究員

窪谷 浩(くぼたに ひろし)

研究領域:経済

研究・専門分野
米国経済

経歴

【職歴】
 1991年 日本生命保険相互会社入社
 1999年 NLI International Inc.(米国)
 2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
 2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
 2014年10月より現職

【加入団体等】
 ・日本証券アナリスト協会 検定会員

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