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公的年金の積立金は誰のものか
2025年08月05日
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年金制度改正法が成立するまでの議論を見ると、日本の公的年金の在り方が国民には十分に理解されていないことが良くわかる。基本的な財政制度は積立方式ではなく賦課方式であって、個別の加入者ごとの積立金は存在せず、誰かに帰属するものではない。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用している約250兆円の積立金は、これまでの主に年金保険料と給付に要した収支残の累計に、GPIFによる運用収益累計155兆円が加算されたものである。公的年金の加入者全体は給付を受ける権利を有しているが、厚生年金保険料の半額は雇用主が負担しており、積立金は高齢化の進行によって徐々に費消される予定である。
基礎年金と厚生年金とのマクロ経済スライドを適用する期間を一致させる判断は次の財政検証に先送りされたが、厚生年金加入者が老後に受け取るのは、基礎年金と厚生年金との合計である。基礎年金部分が底上げされず実質的に3割減となる影響は、基礎年金のみしか受給できない第1号被保険者などのための施策と受け取られがちであるが、当然に厚生年金の加入者に及ぶのである。
公的年金の基本は、世代を超えた助け合いであるとされる。少子高齢化の進行を短期間で食い止めることは不可能であり、助け合いという趣旨を、国民全体が認識しておくべきではなかろうか。
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