4.ACPR の近代化と効率化の継続及びフランス銀行の戦略的計画への貢献
その中で、特に保険に関するテーマとしては、以下が挙げられていた。
・金利リスクと資産・負債のデュレーションギャップの管理を引き続き注意深く監視する。
・生命保険では、2023年に向けて支払われるリターンの変更、特に貯蓄者にとって魅力的なリターンを維持するために、近年積み立てられた利益配分準備金の段階的な再配分を検討する。
・2023年に抑制されている生命保険の解約の動向と、それが保険会社のソルベンシーと流動性に及ぼす影響を監視する。
・損害保険では、保険会社の収益性とともに、負債のモデリングにおいてインフレがどのように考慮されているかについても検討する。
・(信用リスクに関係して)経済情勢の影響を最も受けやすい組織、特に保証会社部門(信用保険、完成保証)、及び保険料の下落の影響を受ける可能性のある医療・年金保険部門に警戒が集中する。
・2024年には、保険会社を対象とした第2回気候ストレステストの実施の結果とこのガバナンスに関する作業が公表される予定である。
・ソルベンシーII指令及び保険・再保険会社の再建・破綻処理に関する指令の改正のための実施文書など、国際レベルで進行中の規制作業を引き続き監視する。
・銀行商品と保険商品の設計とマーケティングが顧客の利益を尊重することを保証する。生命保険と損害保険においては、顧客にとっての商品の経済的利益(バリュー・フォー・マネー)と、適用される手数料の水準に細心の注意を払う。
したがって、2025年においては、基本的には2024年における主要な作業プログラムが引き続き採用されているが、「ACPR の近代化と効率化の継続及びフランス銀行の戦略的計画への貢献」に代わって、「リスクベースのアプローチを開発し、監督と規制を簡素化するための作業を実行する」が大きなテーマとして取り上げられており、リスクベースのアプローチを開発しつつも、金融業界の負担等を考慮した監督・規制の簡素化への取組みに注力することを述べている。
保険においては、引き続き、「金利リスクと資産・負債のデュレーションギャップの管理を引き続き注意深く監視する。」としており、気候変動やデジタル化の進展や新たなテクノロジーに関連してのサイバーリスクへの対応強化が掲げられている。
4―まとめ