第二に有望な輸出先の有無である。当時の日本には将来の発展が確実視された「中国」という極めて有望な輸出先があった。実際、バブル崩壊後の日本は中国への輸出を拡大していった(図表-21)。一方、現在の中国にもインド、ASEAN、アフリカといった将来の発展が確実視される国・地域がある。実際、中国は「一帯一路構想(Belt and Road Initiative)」を掲げて、その取り込みに奔走している。但し、その筆頭格であるインドと中国は国境紛争を抱えており、欧米先進国と競合することもあって、当時の日本が中国に期待したほどには輸出を増やせそうにない。