3|保険業務のデジタル化に向けた取り組み14
(1)電子保険契約に関するガイドライン草案の発行
IRDAIは、9月29日に、電子形式の保険契約及び提案書の発行及び提出に関するガイドライン案を発行
15した。「2022年IRDAI(電子保険契約の発行)規則(Issuance of e-Policies Regulations 2022)草案」の中で、IRDAIは、保険業務の効率化を促進し、保険契約の電子勧誘及びサービス提供の適切な枠組みを提供するために、電子保険契約の発行に関する現行の規制が見直されるとした。
規制で提案されている主要な変更の一部は次のとおりである。
a.電子プラットフォームによる保険契約の勧誘及びサービス
b.全ての募集モードにおける電子保険契約の発行
c. 電子保険契約を保持するための電子保険口座の使用の義務付け
IRDAIは、全ての保険契約者に電子保険口座 (eIA) を必須とし、保険契約者に発行される全ての保険は保険契約者のeIAに保持されることを強調している。全ての保険会社は、保険契約者が選択した登録済みの保険レポジトリ(Insurance Repository)
16のいずれかを通じて、保険契約者ごとに一意の eIA 番号が作成されるメカニズムを導入する。eIA が作成されると、別の eIA を作成することなく、全ての保険会社がそれを使用する必要がある。
公開草案はまた、直接又は保険仲介業者を介して電子モードで保険事業を勧誘する全ての保険会社は、勧誘される商品に関して、物理的な提案書と一致する電子提案書を用意しなければならない、と述べている。電子提案書フォームには、適用可能な規定に従って、適合性評価フォームとカスタマイズされたメリットの図も含まれる。
(2)デジタル保険取引所の創設
IRDAIは、全ての生命保険及び損害保険契約が掲載されるオンラインプラットフォームであるデジタル保険取引所のBima Sugamを承認した。2023年に運用を開始する可能性がある。
保険セクターを変革するこの取引所は、保険の購入、請求の決済、その他の機能などの保険サービスを提供し、IRDAIによって監視される。
ブローカー、保険代理店、銀行及びPolicy Bazaarのようなアグリゲーターは、Bima Sugam を通じて個人に保険契約を販売する際の仲介者又は橋渡し役として機能する。
オンラインプラットフォームの確立は、電子保険契約の発行や、全ての保険契約者に保険レポジトリを備えたデジタル保険口座を持たせることなど、保険業務をデジタル化するIRDAIの計画に沿ったものである。
5―まとめ