新型コロナウイルスの感染拡大が保険会社に与える影響(3)-欧州大手保険Gの2019年SFCRによる-

2020年06月15日

(中村 亮一) 保険計理

■要旨

欧州の保険会社各社が5月上旬から6月にかけて、単体及びグループベースのSFCR(Solvency and Financial Condition Report:ソルベンシー財務状況報告書)を公表している。これは、2016年にソルベンシーII制度が導入されて以来、4 回目となる対外公表されるソルベンシーと財務状況に関する詳細な報告書となっている。

これらの報告書については、これまでの4年間も保険年金フォーカス等で報告してきたが、例えば2018年のSFCRについては、保険年金フォーカス「欧州保険会社が2018年のSFCR(ソルベンシー財務状況報告書)を公表(1)~(4)」(2019.7.1~2019.7.22)及び基礎研レポート「欧州保険会社の内部モデルの適用状況(標準式との差異)-2018年のSFCR(ソルベンシー財務状況報告書)からのリスクカテゴリ毎の差異説明の報告-」(2019.7.29)(以下、「以前のレポート」と呼ぶ)で報告した。

今後、各社が公表した2019年のSFCRについて、その概要を報告していく予定だが、まずは、今回のレポートでは、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が保険会社に与える影響に関してのSFCRにおける記述内容に絞って紹介する。次回以降のレポートで、欧州大手保険グループのSFCRの全体的な状況及びその一部の項目(長期保証措置と移行措置の適用による影響、内部モデルと標準式の差異等)を抜粋して報告する。

■目次

1―はじめに
2―欧州大手保険GのSFCRでの記述内容
  1|AXA
  2|Allianz
  3|Generali
  4|Aviva
  5|Aegon
3―まとめ
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