■要旨
健康なからだをつくり、維持するには、栄養バランスのとれた食事、十分な睡眠とともに、適度な運動が欠かせないとされる。では実際に、運動はどのように健康に効用をもたらすのか。また、運動に伴う傷害や病気のリスクには、どのように対処すればよいのか。スポーツや運動と健康の関係について、みていくこととする。
本稿が、スポーツ医学について、読者の関心を高める一助となれば幸いである。
■目次
はじめに
1――スポーツ医学とは
1|身体活動には、さまざまな運動や生活活動がある
2|スポーツは、瞬発的種目、持久的種目、混合種目に分けられる
2――運動の効用
1|運動は、心臓循環機能を向上させる
2|運動は、呼吸機能を向上させる
3|運動は、筋機能を向上させる
4|運動は、肥満症を予防したり改善したりする
5|運動は、精神面のリフレッシュや認知機能の維持増進などにつながる
3――運動に伴う外傷と処置の流れ
1|まず応急処置が行われる
2|つづいて創傷処置が行われる
3|負傷した選手が歩行困難な場合は、担架を用いた搬送が行われる
4|負傷した選手が心停止と判断される場合は、心肺蘇生が行われる
5|負傷した選手がスポーツに復帰するために、アスリハが行われる
4――運動に伴う傷害
1|運動は、ケガにつながることがある
2|頭頚部のケガは、死亡や重篤な後遺症を残す恐れがある
3|胴体部の傷害では、腰痛に悩まされるケースが多い
4|投球動作やタックルなどで、肩や肘のケガをすることもある
5|ジャンプ動作などで、膝にケガを負うこともある
6|スポーツでは、足のケガを負うことも多い
5――運動に伴う病気
1|スポーツ中に突然死が起こることがある (循環器系への影響)
2|呼吸器系への影響として、喘息や過換気症候群が問題となる
3|血液系への影響として、スポーツ貧血がある
6――スポーツと環境
1|暑熱環境では、体温の調節が重要
2|寒冷環境では、低体温症と凍傷が問題となる
3|低圧環境では、高山病のリスクがある
4|高圧環境では、潜水病に注意が必要となる
7――ドーピング問題
1|ドーピングの歴史は、150年以上に及ぶ
2|世界ドーピング防止規定 (WADA code) により、禁止物質・禁止方法が定義されている
3|ドーピング検査として、2種類の検査が行われている
4|ドーピング規則違反に対する制裁方法も定められている
5|ドーピング規則には、治療目的使用に係る除外措置もある
おわりに (私見)