4|活動ベースのアプローチについて
(1)2つの優先事項
活動ベースのアプローチについては、以下の2つの優先事項が反映されている。
1) 関連する金融規制機関と協議して、システム全体で潜在的なリスクと新たな脅威を特定して対処し、それによって会社間及び会社固有の規制と監督から生じる可能性のある市場における競争の歪みの可能性を減らす。
2) 会社を新たな規制当局に晒すのではなく、一般に会社、商品及び市場のリスクに関してより多くの情報と専門知識を有する関連金融規制機関が潜在的なリスクに対処することを可能にする。
(2)2段階のアプローチ
活動ベースのアプローチについては、以下の2段階のプロセスを確立している。
(2-1) 第1段階のアプローチ
第1段階では、米国の金融安定性に対する潜在的なリスクを特定するために、評議会は、関連する金融規制機関と協議して、様々な金融市場及び市場の動向を監視する。評議会は、コーポレート及びソブリンの債権・貸付市場、株式市場、新規又は発展を続ける金融商品、活動及び慣行ならびに金融市場参加者の耐性力に影響を与える動向を含む幅広い範囲の金融市場及び市場動向を監視する。
評議会の分析は、以下の4つの枠組み質問に焦点を当てている。
1) 潜在的なリスクのトリガー(例えば、特定クラスの金融資産の評価の大幅な減少又は大幅な信用損失)
2) 潜在的リスクの悪影響が金融市場又は市場参加者にどのように伝達されるか(例えば、関連する資産価格の低下から生じる潜在的リスク又は資金調達又は取引圧力への直接的又は間接的なエクスポージャーを通じて)
3) 潜在的なリスクが金融システムに及ぼし得る影響(例えば、他の会社及び市場に対する悪影響の規模及び規模、ならびにそのような影響が市場参加者の間で集中又は拡散する可能性があるかどうか)。
4) 潜在的なリスクの悪影響が、米国経済の非金融部門に害を及ぼす可能性がある形で(例えば、非金融会社への信用供与の縮小又は中断を通じて)、金融システムを損なう可能性があるかどうか。
(2-2) 第2段階のアプローチ
評議会が活動ベースのアプローチの第一段階で米国の金融安定性に対する潜在的なリスクを特定した場合、第2段階で、評議会は、連邦及び州レベルで関連する金融規制機関と協力して、加盟国と加盟機関の間で調整を行い、潜在的なリスクが適切に対処されていることを確認するための監督上又は規制上の措置についてフォローアップする。
なお、評議会は、特定された潜在的なリスクに対処するために講じることができる適切な措置は、通常、規制当局間の情報共有などの比較的非公式な行動の形をとると予想しているが、適当と考えられる場合には、規制当局又はパブリックへの評議会の公的な提言の発行のようなより公式な措置を含むかもしれない、としている。
4―今回のFSOCによる新たな提案を受けての関係者の反応