中村 亮一()
研究領域:保険
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2018年11月5日
PCIは、保険グループの国際資本及び監督基準の提案について重大な懸念を表明
【ワシントン2日 共同】米国損害保険協会(PCI)は、国際的に活動する保険グループの監督のための共通枠組み(ComFrame)と保険資本基準(ICS)のVersion 2.0の草案という2つの保険監督者国際機構(IAIS)の提案にコメントを提出した。これらの提案は、2019年後半にIAISによって採択される予定である。ICS 2.0の採択は暫定的なものとなるが、監督者への機密報告及び5年間のモニタリングプロセスがある。以下の声明は、PCIの副会長、金融政策担当のSteve Broadie氏によるものである。
「PCIは、IAISのグローバル保険基準の2つの主要な提案の開発について、引き続き重要な懸念を抱いている。IAISはこれらの提案を進めるにつれて、ICSの適切な実施として、保険契約者保護における同等の結果を達成する管轄地域におけるグループ資本枠組みを認識するようにIAISに要請する。これにより、大幅な追加の導入コストと異なるグループ資本評価の間の競合の両方を避けることができる。」と、Broadie氏は述べた。
ICSの多くの側面が開発中であるか、さらなるフィールドテストが必要である。現在のバージョンには、市場価値ベースの標準的な方法だけが含まれている。これは、州の保険監督当局及び米国の消費者に長年支えられている保険規制会計基準及び資本要件とは根本的に異なる設計である。「市場価値ベースのグループ資本要件を課すことで、消費者のコストが大幅に増加し、競争力と安定性が低下するだろう。このような反消費者要件は米国では採用されないだろう。」とBroadie氏は続けた。
「ComFrameは米国の消費者志向の州ベースの保険規制制度を認識し、保険グループの組織と規制当局の多様な方法を認識するための柔軟性を提供することが不可欠である。ワンサイズのアプローチは、米国の消費者に害を及ぼし、国際的な保険市場を混乱させるだろう。」と、Broadie氏は述べた。
「PCIは、IAISと現在開発中の米国のグループ資本モデルであるNAICのグループ資本計算と連邦準備制度のビルディングブロックアプローチを認識するICSに関するTEAM USAと協力し続ける。」との言葉で、Broadieは締めくくった。
3―保険業界団体以外からの反応
4―まとめ-IAISの今後の対応等-