もう一つの柱である筋力トレーニングについて述べたい。なぜ筋トレが大事かというと、糖質制限だけにより体重を落とすと、脂肪と合わせて筋肉も落ちてしまい、基礎代謝も落ち、少しの食事でも体重の増加につながり、リバウンドしやすくなる。そこで、筋トレにより、極力筋肉量の減少を抑えて、体脂肪だけを落とすようにして、基礎代謝を上げて太りにくい体を作るためである。合わせて、筋トレにより脂肪を燃焼させて、体重を落とす、もちろん筋トレでマッチョになって見た目もかっこよくなるという効果もある。
Rでは、原則として、週2回、トレーナーとのマンツーマンによるトレーニングが50分間行われる。このうち私の場合は、1回は上半身のトレーニングの日、もう1回は下半身のトレーニングの日であった。上半身の代表的なトレーニングは、胸の筋肉を鍛えるベンチプレスや腕立て伏せ、背中の筋肉を鍛えるラットプルダウンなどであり、下半身の代表的なトレーニングは、脚の筋肉を鍛えるスクワット、片脚ずつ行うスプリットスクワット、バーベルを持って行うバックスクワットや腹筋を鍛えるクランチ(起き上がり腹筋)、脚上げ腹筋などである。
Rでは、自分の限界を超える負荷をかけてトレーニングする。たとえば、ベンチプレスでは、楽に持ち上げられているとトレーナーが判断すると、すぐに重さを限界まで上げる。そして、トレーナーからの補助を受けながらなんとか持ち上げ、もう持ち上げられなくなると、5キログラム落として持ち上げ、またそれもできなくなるとさらに5キログラム落として持ち上げる。筋肉は、「刺激」と「修復」を繰り返すことで、以前より強く太い筋肉になる。この過程を「超回復」と呼ぶ。したがって最大の負荷をかけてトレーニングして筋肉を「刺激」させるのだと説明を受けた。
筋トレの中で最も大切と言われたスクワットについて述べたい。スクワットで鍛えられる大腿四頭筋は人間の体で最も筋肉があるところで、加齢により最も早く衰えるといわれている。スクワットはこの大腿四頭筋だけでなく、太もも裏のハムストリング,お尻の大殿筋などの鍛錬になるので、Rで最も重要視されている。初日は、食事のとり方や食事の管理アプリの説明があり、トレーニングは最後の15分間でスクワットをやったがこれが大変だった。まずベンチプレスを行うときに使用するアジャスタブルベンチ(低めの腰掛をイメージしてもらえばいい)に最初座って、立ってと10回行い、次におしりがベンチ台に触れると同時に立ち上がることを10回、そして最後にベンチ台をとってスクワットをやった。もちろん膝が前にでないようにお尻を落として太ももが水平になるくらいに深く曲げて20回を3セットほどやったが、帰りは階段が降りられなくなり、壁にすがりつきながら降りたのを覚えている。自分がこれまでスクワットと思ってやっていたことは、単なる屈伸運動だったと思い知った瞬間だった。その後、片足スクワット、そしてバックスクワットとどんどんきつくなっていった。自分でもやった方がいいといわれて、毎日昼休みに自分でスクワットを20回×5セットをやるようにした。その成果か、トレーニングを始めて4ヶ月後には、70キロのバーベルを肩に担いで、バックスクワットをやれるようにまでなった。
Rでは有酸素運動はほとんどなく、筋肉を鍛える無酸素運動中心のトレーニングメニューである。さまざまな筋トレをするが、毎回やったトレーニングはすべて記録されていて、前回の負荷を見ながら少しずつ負荷を上げていく。毎回トレーニングが終わるとへとへとになったが、一方で達成感もあった。
当然トレーニングをやった1~2日後には、筋肉がパンパンに張るので、ストレッチや整体に通ったりして、自分なりに体のケアを行った。だんだん筋トレに慣れてきて、自分でもできるようになってきたので、通っていたスポーツクラブでも、フリーウェイトゾーンでベンチプレスやバックスクワットなどの筋トレをやるようになった。これまでフリーウェイトゾーンで筋トレに励んでいるマッチョな人たちの気持ちがわからなかったが、だんだん筋トレするのが楽しくなり、休日だけではなく、平日の仕事の後も、スポーツクラブに行くようになった。スポーツクラブでは、これまでは、主にダイエットにいいと思って、ウォーキングなどの有酸素運動を中心にしていたが、有酸素運動だけでは一時的に体重は落ちても太りにくい体にはならないということを教えられてからは、最初に筋トレを集中してやり、最後にウォーキングをやるように変わった。
そして一番うれしかったのが、筋トレの成果で、ゴルフの球が飛ぶようになったことである。スクワットに取り組んだことが大きいと思うが、減量すると飛距離が落ちると心配していたのだが、逆に下半身の筋力アップで、ドライバーが20ヤード程度飛ぶようになった。
5―結果について