「プレミアムフライデー」に続いて、経産省が新たに始めようとしているのが月曜午前を休もうという「シャイニングマンデー」だ。7月30日、経産省の職員の3割が午前中に休暇を取ったそうだ。月末の金曜日に早帰りをする「プレミアムフライデー」の振り替えで、輝かしい1週間の始まりとして「シャイニングマンデー」と呼ぶ声もある
1。その狙いは「プレミアムフライデー」と同じく消費喚起、そして、働き方改革の一環で長時間労働を是正することだ。
経産省の担当者によれば、月曜の午前中を休むことで、「観光地に行って月曜日の朝に帰ってくる、または子どもたちと夜遅くまでテレビを見たうえで月曜日はゆっくりと過ごしたうえで会社に来るといったような働き方ができる」とのことだ。
土日に半日程度の休暇を付け足すことで、旅行やレジャーなどの消費を喚起する、家族と過ごす時間を増やすという構想は「プレミアムフライデー」と全く同じだ。当初より経済界からは、月末の金曜日は繁忙期と重なることも多く、早帰りを促進することは難しいという声があがっていた。繁忙期を過ぎた後の「シャイニングマンデー」であれば休みやすいというケースもあるのかもしれない。
そもそも「プレミアムフライデー」は、どの程度利用されているのだろうか。ニッセイ基礎研究所の調査
2によると、「プレミアムフライデー」の認知度は非常に高く9割を超える
3。一方で利用率は非常に低い。少々古いデータであり最近の状況はもう少し改善されているかもしれないが、開始直後の2ヶ月の利用率は5%に満たない。利用が多かったのは、旗振り役の公務員や大企業、電気やガスなどのインフラ企業だ。利用者の過ごし方は、「食事」や「買い物」が4割を超えて多い。一方で「自宅で過ごした」も3割を超えており、早帰りをしても消費につながらない層も少なくない。
就業者の8割以上は勤め先で導入されなかったと回答しており、大半の企業は導入を躊躇していたようだ。「プレミアムフライデー」で消費者の行き先となる飲食店やデパートでは、むしろ人手が必要となってしまうし、そもそも仕事量を減らさずに早帰りだけを促進することは難しいためだろう。
勤め先で導入されたが利用しなかったと回答した者に対して、その理由をたずねたところ、民間企業全体では「特に意識していなかった」が過半数を占めて最も多く、次に「仕事が終わらなかった」、「後日仕事のしわ寄せが来る気がした」と続いていた。
利用しなかった理由は雇用形態によって違いがあり、正規雇用者では「仕事が終わらなかった」や「後日仕事のしわ寄せが来る気がした」が多く、非正規雇用者では「特に意識していなかった」や「収入が減ってしまうのが嫌」が多い。正規雇用者は、やはり仕事が減らないと早帰りは難しいようだ。一方で非正規雇用者は、それぞれの組織における制度の導入の仕方にもよるが、そもそも施策の対象となっていないケースも多かったのかもしれない。また、時間給で働いている場合は収入が減ってしまうため、むしろ休みたくないという声もある。