IAIS(保険監督者国際機構)が、保険会社に対する国際的な資本規制であるICS(Insurance Capital Standard:保険資本基準)に関して、2018年7月31日に、ICS Version 2.0を含むComFrame全体に関する公開協議文書をリリースした。
ComFrame(Common Framework for the Supervision of Internationally Active Insurance Groups)は、IAIGs(Internationally Active Insurance Groups:国際的に活動する保険グループ)を監督するための国際的な共通フレームワークで、定性的かつ定量的な要件を取り扱っているが、その中の一部として、「リスクベースのグローバルな保険資本基準Version2.0 公開協議文書(Risk-based Global Insurance Capital Standard Version 2.0 Public Consultation Document)」(以下、「ICS Version 2.0 CD」又は単に「CD」という)を公表している。
今回のICS Version 2.0 CDについては、2017年7月21日に公表されたICS Veriosn1.0に対する利害関係者からのフィードバックを受けて、フィールドテスト等の結果等も踏まえて、IAISがこの1年間検討を行ってきた結果であり、ICS Veriosn1.0から、いくつかの変更等が行われている。なお、ICS Veriosn1.0については、基礎研レポート「IAISが拡大フィールドテストのためのICS(保険資本基準)Version1.0を公表-保険負債評価の割引率について-」(2017.8.7)(以下、「前回のレポート」という)で報告しているので、こちらを参照していただきたい。
今回のレポートでは、今回IAISがリリースした資料のうち、ICS Version 2.0 CDについて報告する。ただし、ICS Version 2.0 CDについて、全体の特徴において、その概要に触れた後、具体的内容については、前回のレポートと同様に、保険負債評価に使用する割引率に焦点を絞って報告する。