ベンチャー企業の「ガバナンス」~「急成長」と「ガバナンス」の両立を~

2018年06月28日

(中村 洋介)

■要旨
 
  • ベンチャーの不祥事が世間を騒がせている。成長戦略で注目されるベンチャー投資だが、「ガバナンス」や「リスク統制」の重要性を改めて認識させられる。
     
  • 非上場ベンチャーは、経営者に「モノ言える」キャピタリストやエンジェル投資家が、「目利き力」を活かして良き企業風土を作れる起業家や企業を見極めて投資し、成長を強力にサポートすべく経営に参画する中で、「ガバナンス」や「リスク統制」を利かせていくことが重要。
     
  • 上場ベンチャーは、更なる成長のための資金調達がしやすい環境を作る意味でも、より厳しくなる機関投資家の目線に適うようなガバナンス体制の構築が求められている。
     
  • ESG投資に注力する機関投資家や、政府出資のある官民ファンドからのリスクマネー供給を受けるには、一層「ガバナンス」の視点が必要になろう。
     
  • ベンチャー企業には、今まで以上に「急成長」と「ガバナンス」の両立という、難しくも大事な舵取りが求められそうだ。その舵取りをサポートする、実力あるベンチャーキャピタリストが一層増えていくことに期待したい。

■目次

1――はじめに
2――非上場ベンチャーの「ガバナンス」 
3――上場ベンチャーの「ガバナンス」 
4――ベンチャー投資家の層を厚くする上で
5――おわりに
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