年金基金等の機関投資家がベンチャー投資に入ってくれば、リスクマネーに厚みを増す。昨今、機関投資家の間ではESG投資への注目が高まっている。環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の観点が、企業の長期的な成長に必要だという考え方だ。世界最大規模の機関投資家、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(以下、GPIF)も、投資原則2にESGを組み込んでいる(図表9)。世界の機関投資家の間では、ESGを投資プロセスに組み入れた、国連の「責任投資原則」(Principles for Responsible Investment、以下PRI)への署名が広がっており(資料10)、日本でもGPIFや生保、運用会社で署名が進んでいる。環境(E)、社会(S)の課題解決に取組むベンチャーも多いが、今後ベンチャー企業やVCが年金基金等機関投資家からのリスクマネーを獲得する上では、ガバナンス(G)の視点が一層必要になろう。