2|生命保険事業の地域別業績
ここでは、各社のセグメント情報に基づいて、保険事業に関する保険料と営業利益の地域別内訳を見ている
56。
5 地域区分は、基本的に引受会社の所属国に基づいている。
6 2016年の数値算出において、会社によっては、地域別のセグメントの変更や算出方法等の変更を行っているケースもあり、これに伴い、前回の基礎研レポートで報告した2015年の数値を変更している場合もある。
2-1.保険料の状況
まずは、保険料の地域別内訳を見てみる。ここでの保険料の数値には、例えばユニット・リンク等の投資型保険からの収入が反映されていなかったりするが、各社の地域間の分布等を比較するための1つの基準として採用している。
なお、地域別の保険料分布の数値を得るために、Allianz、Prudential及びZurich の保険料については、前ページの図表とは異なるベースの数値を使用している。
(1)2017年の結果
これによれば、各社毎に状況は異なっているが、各社とも自国(親会社国)以外からの保険料が一定の規模を有しており、自国以外での事業が大きな位置付けを有している。各社の地域別の構成比の概要は以下の通りとなっている。
AXAは自国のフランスが27%、その他の欧州が39%、米国が14%、アジア・太平洋が10%となっており、欧州以外が比較的大きな割合を占めている。
Allianzの生保は、自国のドイツで57%と高いが、ドイツ以外の欧州で26%となっており、米国やアジア・太平洋等も有意な水準となっている(なお、「
3―2|Allianz 」で述べるように、法定保険料ベースでは、米国は14%と、ここでの5%よりもかなり高い水準となっている)。
Generaliの生保は、自国のイタリアが36%であるが、イタリア以外の欧州で57%と高くなっている。
Prudentialは自国の英国は35 %で、米国が36%、アジアが28%となっている。
Avivaの場合、自国の英国と英国以外の欧州がそれぞれ4割程度を占め、図表では米国に含まれているカナダ(損保)が1割程度となっている。
Aegonの場合、自国のオランダは1割程度で、オランダ以外の欧州が5割程度、図表では中南米を含んでいる米国が4割程度となっている。
Zurichは自国のスイスは9%で、スイス以外の欧州が生保では62%、損保では31%となっているが、生保において中南米を含むその他が20%と他社とは異なり高くなっている。