24 WeWorkは従来オフィスを賃貸するのが基本だったが、投資会社Rhone Capital LLCと共同で米百貨店Lord&Taylorのニューヨーク旗艦店を8億5千万ドルで取得し、一部を本社とコワーキングスペースに利用するなど、不動産を所有することでもコスト構造を多角化している(Carmiel (2017))。
不動産業でもデジタル化が進み、プラットフォーマーの事業が拡大すれば、不動産業のモジュール化やサービス化が進むことが予想される。これまでコワーキングスペースは、小口化して転貸する不動産賃貸業の色彩が強かったが、WeWorkが提供するのが「Space as a Service」であるように、むしろ不動産サービス業と呼ぶべきものである。同社はコミュニティなどの機能を追加したが、コミュニティを育むためにオフラインとオンライン双方のツールを総動員している。不動産業のサービス化により、不動産の立地や建物などオフィスビルの実力だけでなく、施設の運営・管理能力など含めた総合力が問われることになる。これはあらゆる不動産が、施設の運営の成果次第で収益が変動するオペレーショナル・アセットになることを意味する。