3|ICS作成に向けてのプロセス(2017年7月時点)
(1)2017年7月に公表された ICS Version 1.0の位置付け
IAISは、2015年と2016年に、ICSの開発に関する量的フィールドテストを実施したが、2017年7月に公表されたICS Version 1.0は2017年9月に提出される予定の第3回定量的ICSフィールドテストに対応するものであった。1年前の2016年7月19日に2016 ICS CDが公表された時には、2017年6月までに機密ベースで会社が監督当局に報告する「ICS Version 1.0」の採択が計画されていたが、そこまでには至らずに、ボランティアグループが10社ほど拡大したとはいえ、あくまでもフィールドテストという位置付けにとどまっていた。
(2) 次のステップとしてのICS Version 2.0について
その時点では、ICS Version 1.0の位置付けは、当初の計画から若干後退した形になってはいたが、IAISは、ICS Version 2.0の2019年の設定、2020年からの実施という目標を変更していなかった。
また、ICS Version 2.0の目標は、監督者の実施に適したICSの提供であり、その内容については、以下の通り記述されていた。
・ICS Version 1.0と比較して改善されたレベルの比較可能性を達成するが、おそらく最終的な目標によって想定される比較可能性のレベルではない。
・まだ2つの評価アプローチを含むかもしれないが、評価の差異を縮小することを志向する。
・ICS資本要件を計算するための標準方式と、以下を含む他の計算方式を許容しているかもしれない。:(1)内部モデルの使用(部分又は完全)、(2)外部モデル、(3)標準方式のバリエーション
ICS Version 2.0が採用された後に、実施期間があるが、IAISの定款によれば、メンバーは、特定の市場情勢を考慮して、IAISの監督用資料を作成し、定期的な自己評価とピアレビューを実施することをコミットすることになっていた。
(3)IAISのICSに関する最終目標
なお、IAISの最終目標は、日付は未定だが、管轄区域間で比較可能な、即ち実質的に同じ結果を達成する共通の方法論を含む単一のICSを設定することである。
進行中の作業を通じて、評価、資本リソース、資本要件等のICSの重要な構成要素において、時間の経過とともにコンバージェンスが改善されていくことを意図している。
3―今回の公表内容に基づく今後のICSの実施計画