年金改革ウォッチ 2017年11月号~ポイント解説:経済成長率と賃金上昇率の乖離

2017年11月07日

(中嶋 邦夫) 公的年金

■要旨

1 ―― 先月までの動き

年金財政における経済前提に関する専門委員会では、前回(2014年)の財政検証(将来見通し)における同専門委員会の議論や近年の経済動向について説明があり、意見交換が行われました。資金運用部会は、先月下旬に事前協議したGPIFの中期目標案について、正式に了承しました。

2 ―― ポイント解説:経済成長率と賃金上昇率の乖離

先月の経済前提専門委員会では、経済成長率と賃金上昇率の乖離が話題になりました。本稿では、議論の背景や現在までの状況、次の財政見通しへの影響を確認します。

 1|議論の背景:賃金上昇率は重要な前提。GPIFの資産構成にも影響
 2|現在までの状況:賃金上昇率が1人当たり成長率を下回る状況が継続
 3|将来見通しへの課題:労働分配率の低下傾向やパート労働者の動向をどう織り込むか

保険研究部   上席研究員・年金総合リサーチセンター 公的年金調査室長 兼任

中嶋 邦夫(なかしま くにお)

研究領域:年金

研究・専門分野
公的年金財政、年金制度全般、家計貯蓄行動

経歴

【職歴】
 1995年 日本生命保険相互会社入社
 2001年 日本経済研究センター(委託研究生)
 2002年 ニッセイ基礎研究所(現在に至る)
(2007年 東洋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了)

【社外委員等】
 ・厚生労働省 年金局 年金調査員 (2010~2011年度)
 ・参議院 厚生労働委員会調査室 客員調査員 (2011~2012年度)
 ・厚生労働省 ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会 委員 (2011年度)
 ・生命保険経営学会 編集委員 (2014年~)
 ・国家公務員共済組合連合会 資産運用委員会 委員 (2023年度~)

【加入団体等】
 ・生活経済学会、日本財政学会、ほか
 ・博士(経済学)

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