先進医療などの対象となる医療技術の変遷-30年間における新技術の定着と保険適用の拡大

2017年10月19日

(小林 雅史)

■要旨

公的医療保険制度においては、全国民一律の医療サービスの提供が原則とされてきたが、患者の選択肢を広げ、利便性を向上させる観点から、1984年10月、高度先進医療が創設され、2006年10月から現行の先進医療に改定されている。

すなわち、現在の先進医療には、前身の高度先進医療も含めれば30年以上の歴史がある。

先進医療に係る費用は、健康保険が適用されず、患者が全額自己負担するが、生保各社はさまざまな方策で患者の自己負担部分を保障してきた。

本レポートでは、先進医療の対象となる医療技術の具体的内容の変遷や保険適用の動向、現状などを中心に紹介することとしたい。

■目次

1――はじめに
2――これまでの先進医療の沿革
  1|特定療養費制度における高度先進医療の創設(1984年10月)
  2|いわゆる「混合診療」問題に係る基本的合意(2004年12月)
  3|保険外併用療養費制度における先進医療の創設(2006年10月)
  4|混合診療に関する最高裁第三小法廷判決(2011年10月)
  5|患者申出療養制度の創設(2016年4月)
3――先進医療の技術数・患者数・金額などの推移
4――先進医療からの保険適用の状況
5――おわりに
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