2|ソルベンシーⅡに基づく報告
BaFinは、ソルベンシーⅡに関する全ての法的基礎、ガイドライン、解釈上の決定をホームページに掲載している。
ソルベンシーⅡに基づく報告は、ソルベンシーⅡ指令の適用範囲に属する全ての保険会社に適用される。 しかし、追加の報告要件のみで構成されているわけではない。ドイツの会社については、四半期諸表ならびに投資及び財務予測に関する通知及び報告書など、一部が削除されている。BaFinは、主要保険会社及び再保険会社、保険グループ、年金基金の報告に関するガイダンス通知書に、報告に関する追加情報を掲載している。
委任法
1と2つの実施技術基準
2は、ソルベンシーIIの詳細な報告要件を含んでいる。
- 委任規則(EU)2015/35には、ソルベンシー声明
3に含める必要があるポジションの測定に関するルールが含まれている。全ての資産及び負債が継続企業ベースで公正価値で測定されるというソルベンシーIIの基礎となる原則は、もちろんこの文脈で適用される。公正価値会計は、HGBの測定原則とは大きく異なるものである。
・実施規則(EU)2015/2450には、その他の項目の中で、報告書と付随する説明書が含まれている。
・実施規則(EU)2015/2452は、主として、ソルベンシーと財務状況報告書(SFCR)に含める必要のある量的情報と、それを提示しなければならない形式を規定している。
これらの規則に加えて、2つのEIOPA指針
4が関連している。ソルベンシーII指令
5に基づく元受保険会社及び再保険会社の要件は、一般にグループレベルでも同様に適用される。
ソルベンシーII要件の範囲内に入る全ての保険会社は、関連する定量的フォームを含むソルベンシーと財務状況に関する年次報告書(SFCR)を公表し、一般大衆が入手できるようにしなければならない。また、報告書はBaFinに提出する必要がある。さらに、年間及び四半期の定量的報告は電子的にBaFinにのみ提供される。定期的な監督報告書(RSR)とリスクとソルベンシーの自己評価(ORSA)に続いて、ORSA監督報告書(OSR)も、該当する場合、電子形式で、毎年又は2年毎又は3年毎に、BaFinに提出する必要がある。
2019年までは報告書の提出期限が延長される。その後、委任規則の第312条に規定されている最終的な締切日が遵守されなければならない。当該事業者は、保険報告規則に記載されているテンプレートの正式な要件も遵守しなければならない。監督当局にとっては期限及び規定に従うことが重要なので、電子的に送信される情報がこれらの要件を満たしていない場合は、BaFinによって拒否され、提出されていないものとして扱われる。さらにBaFinは速やかにソルベンシーIIの情報をEIOPAに渡すが、これにはHGBの数字は当てはまらない。
要約すると、ソルベンシーIIの下での報告は複雑であり、公正価値会計などのHGBの報告とは異なる本質的な原則に焦点を当てている。さらに、ソルベンシーIIの測定は公正価値と継続企業の前提に基づいているため、会社の主要指標はより大きな変動の対象となる。新しいソルベンシーII監督体制が導入されてからわずか1年後で、報告制度はまだ初期段階にあり、さらなる開発の対象となる。
1 Delegated Regulation (EU) 2015/35, OJ EU L 12/1.
2 Implementing Regulation (EU) 2015/2450, OJ EU L 347/1, Implementing Regulation (EU) 2015/2452, OJ EU L 347/1285.
3 ソルベンシー声明は、貸借対照表に類似した資産及び負債のリストで構成されている。
4 報告及び公開に関するガイドライン及び報告のための市場シェアの決定方法に関するガイドライン
5 Directive 2009/138/EC, OJ EU L 335/1
3―ORSA(リスクとソルベンシーの自己評価)