中村 亮一()
研究領域:保険
研究・専門分野
グローバルな保険資本基準Version 1.0のリリースに関するABIのコメント
2017年7月21日
ABIの規制担当ディレクターのHugh Savill氏は、保険監督者国際機構IAIS)によるグローバルな保険資本基準Version 1.0のリリースについてコメントして、以下のように述べた:
AISは本日、国際的に活動する保険グループのための保険資本基準(ICS)のVersion 1.0を発表した。しかし、我々は、ICSは英国市場での使用に適していないと懸念したままである。
会社がソルベンシーIIの開発に多大な時間と費用を費やしているにもかかわらず、内部モデルが考慮に入れられていない。英国の年金のような保証付き長期契約の適切な取扱が認められていない。分散化が保険の仕組みの中心にあるにもかかわらず、その認識が不十分である。
「ABIはこれらの問題に取り組むためにIAISと引き続き協力していくことを楽しみにしているが、私はこれらが開発と実施のための野心的なスケジュール表で解決できるかどうかは疑問に思っている。私はIAISにもっと実用的なスケジュール表を検討するよう促したい。」と述べた。
ICS 2.0での内部モデルの使用
保険業界の健全な資本及び監督の枠組みが、財務の安定性と保険契約者を保護するために不可欠であるという事実を認識し、IAISはリスクに基づくグローバルな保険資本基準(ICS)を策定することを約束した。 CROフォーラムは、リスクベースの世界的な保険基準の開発を歓迎し、これは、最終的には、人工的な不一致を除去し、効率的かつ効果的な監督を容易にし、公平な競争条件を確保することになるだろう。
本書では、保険業界の内部モデルの使用に関する過去の経験と実績を提示することにより、将来の世界的な保険資本基準の開発を促進することを目指している。CROフォーラムは、標準アプローチに加えて、内部モデルの使用をICS Version2.0の重要な要素と不可欠な要素として認めなければならない理由を示したい、と考えている。このホワイトペーパーでは、内部モデルの使用を許可するために監督当局が利用できるオプションについて概説し、内部モデルがもたらす利点を詳しく見ている。我々は、保険契約者にとって最適な社会的及び規制上の成果を達成する最善の方法は、保険会社が、標準的アプローチが会社のビジネスやリスクプロファイルに不適切だと考える場合には、監督当局の承認を受けて、完全又は部分内部モデルを使用することを認める規制制度を通じてである、と主張する。
6―まとめ
研究領域:保険
研究・専門分野