ブラジル経済の見通し-緩やかな回復基調も政治リスク再燃懸念あり

2017年06月06日

(神戸 雄堂)

■要旨

ブラジル経済は、2015年・16年と統計開始以来初の2年連続マイナス成長となったが、17年1-3月期の実質GDP成長率は前期比1.0%増と9四半期ぶりのプラス成長となった。

17年は緩やかに回復し、3年ぶりのプラス成長と予想するが、景気回復の勢いは弱いうえ、政治不安の再燃による下振れリスクが潜んでいる。

■目次

1――経済概況・見通し
  ・(経済概況)  1-3月期の実質GDP成長率は9四半期ぶりの前期比プラス成長
  ・(経済見通し) 17年は緩やかな回復基調と予想も、政治不安が下振れのリスク
2――実体経済の動向
  ・(民間消費)消費者のセンチメント改善と失業者向け基金の引出要件緩和による
        押上げに期待
  ・(政府消費) 政府消費による下支えは依然として期待できない
  ・(総固定資本形成) 企業のセンチメント改善とインフラ整備の促進によって徐々に回復
  ・(純輸出) 輸出が好調に推移するも、今後は純輸出の寄与度は下落
3――物価・金融政策等の動向
  ・(為替)米国の追加的な金融引締め策も、大きな変動はなし
  ・(物価・金融政策・長期金利)インフレは鈍化し、金融緩和は継続へ
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