中村 亮一()
研究領域:保険
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3―関係団体の反応
2017年5月18日
IASB、保険契約会計の新たなグローバル基盤を発表
国際会計基準審議会(IASB)による保険契約に関する国際財務報告基準(IFRS第17号)が本日発行されたことを受けて、Insurance Europeの副事務局長であるOlav Jones氏は次のようにコメントしている。
「Insurance Europeは、保険契約の現在の暫定IFRSの置き換えの開発を支援する。IFRS第17号の開発中、欧州の保険会社はIASBと緊密に協力し、ビジネスモデルの重要な側面、特に保険の長期的な性質とリスクのプーリングに対する基盤が十分に反映されていない懸念を表明した。IASBは、業界が提起した重要な問題の一部を認識したが、重要な懸念が残されたままである。」
「IFRS第17号は非常に重要な変更を表しており、実施のコスト及び労力は相当なものとなるであろう。しかし、IASBレベルでの基準のテストと評価は非常に限られてきた。事実、新しい要件の重要な側面は最近開発されたばかりであり、最終的なテキストの主要部分はごくわずかの保険会社にしか見られてこなかった。したがって、これまで業界が適切な評価を下すことはできなかった。我々は、この基準が欧州の保険会社に適していることを保証する必要があり、この目的のために、Insurance EuropeはEUの承認プロセスに完全に関与していく。」
2017年5月18日
新しい会計基準IFRS第17号に関するABIのコメント
ABIの規制ディレクターであるHugh Savill氏は、国際会計基準審議会(IASB)が今朝発表した新しい会計基準IFRS第17号「保険契約」について、次のようにコメントしている。
「IASBは、新しい会計基準IFRS第17号「保険契約」を公表した。これにより、保険会社が2021年からの財務結果をどのように報告するかが大きく変わることになる。しかしながら、限定された運用テストしか行われておらず、市場との適切なコミュニケーションをサポートするかどうかについては、いまだ評価されてきていない。いくつかの重要な要件が最近開発され、保険会社はこれまでに満たされていない懸念を伝えてきた。さらに、ソルベンシーIIにおける業界の最近の経験が示すように、実施のコストと労力は大幅に増加する可能性がある。」
「将来に向けて、業界は、EUにおけるIFRS第17号の使用のための承認プロセスの中心となる、コスト便益/公的評価に従事していくことになる。EUを離脱すると、英国でも同様に堅実な承認プロセスが必要となる。」