この点について、シンクタンクのOpen Europe が2016年10月に公表したレポート2によれば、英国の保険業界は他の金融サービス分野に比べて、欧州市場への依存が低く、2015年において、他のEU諸国の比率は、保険以外の金融サービスでは44%であったのに対して、保険では25%であった。さらに、87%という大多数の保険サービスは、パスポートではなく子会社を通じて提供されており、残りの13%だけが、パスポートを使用して取引を行っていると指摘した。ただし、Lloyd’s of Londonのみが例外で、ロンドンを拠点とする引受業者のプールがEU全体のクライアントに奉仕することを認めている現在の規制に依存している、とした。
従って、Brexitに対しては、Lloyd’s of Londonへの影響をカバーするために、英国とEUの間で特別な取り決めを行う必要があるが、多くの保険会社は、既存のEU諸国における子会社の機能等を拡大することで対応し、一部の保険会社が新しい子会社を設立することで対応することになるだろう、と考えられている。