2|生命保険事業の地域別業績
ここでは、各社のセグメント情報に基づいて、生命保険事業に関する保険料と営業利益の地域別内訳を見ている
34。
2-1.保険料の状況
まずは、保険料の地域別内訳を見てみる。ここでの保険料の数値には、例えばユニット・リンク等の投資型保険からの収入が反映されていなかったりするが、各社の地域間の分布等を比較するための1つの基準として採用している。
なお、地域別の保険料分布の数値を得るために、AllianzとPrudential の保険料については、前ページの図表とは異なるベースの数値を使用している。
(1)2016年の結果
これによれば、各社毎に状況は異なっているが、各社とも自国(親会社国)以外からの保険料が一定の規模を有しており、自国以外での事業が大きな意味を有している。各社の地域別の構成比の概要は以下の通りとなっている。
AXAは自国のフランスが29%、その他の欧州が34%、米国が22%、アジア・太平洋が14%で、欧州以外で全体の1/3以上を占めている。
Allianzは自国のドイツで56%と高いが、ドイツ以外の欧州で27%となっており、米国やアジア・太平洋等も有意な水準となっている(なお、
3―2|で述べるように、法定保険料ベースでは、米国は18%と、ここでの5%よりもかなり高い水準となっている)。
Generaliは自国のイタリアが36%であるが、イタリア以外の欧州で57%と高くなっている。
Prudentialは自国の英国は31%で、米国が42%、アジアが27%となっている。
Zurichは自国のスイスは9%で、スイス以外の欧州が63%となっているが、中南米を含むその他が18%と他社とは異なり高くなっている。
なお、以下の図表にはないが、Avivaの場合、欧州が9割程度と殆どを占めている。
Aegonの場合、欧州が6割弱、北米・中南米が4割弱となっている。